国語的な意味から見たはすみとしこのズルさ
「そうだ、難民しよう!」
これは、はすみとしこ氏の描いたイラストの中の一文である。
私は政治主張とは別に、はすみとしこのそのポップでポスターにしたら良さげなイラストに惹かれるのだが、国語的に興味深い点がある。
その一つに、「難民」は名詞のはずなのに、動詞化しているということである。
日本語の動詞として思い当たるものは、「なる」「する」「食べる」等であるが、「難民『する』」はやや興味深いのではなかろうか。
そもそも難民になるまでに、何らかの背景がある筈だが、それをすっ飛ばし(はすみ氏は、そこの弱点をある程度補っている。それでも足りない所はあるが)、「難民『する』」としているのである。
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↑本来は生理こと月経は「なる」ものなのだが、生理を「する」という用法は凄く面白いし、日本語としては斬新な使い方である。
名詞を動詞化する例として、「サッカーする」「スポーツする」「ゲームする」「モンハンする」 等が思い浮かぶが、例えば「人を分ける属性+する」は文法的に考えれば確かにおかしい。
例えば「ユダヤ人する(背景として改宗したなどが考えられる)」「韓国人する」とは言わない。
「黒人する」とは無論言わない。
「黒人」という属性は生まれ持ったものであるからだ。
然し、はすみとしこ氏の絵はその違和感を感じさせない。
別の絵である「そうだ、在日しよう!」も「属性+する」である。これも文法的にはよく見ると確かに違和感があると言える。
只、文法として、間違っているとはいえないのである。
言語は、時とともに変わるからである。
サザンオールスターズの「C調言葉に御用心」の「C調言葉」は「調子のいい言葉」という意味であるが、現代では死語に近い。
この様に、言葉や言語は変わっていくのである。
P.S.「メンヘラする」はどうなのか?